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書店員の怒りと悲しみと少しの愛

書店員の怒りと悲しみと少しの愛

著者:knott books大塚真祐子水越麻由子篠田宏昭前田隆紀笈入建志モーグ女史小国貴司嶋田詔太

📖 概要

出版不況といわれて久しく、売り上げがピークの半分になってもいまだ改善する兆しは見えない。

その状況はとくに紙の書籍の市場で顕著であり、人件費や賃料、光熱費の高騰もあって、新刊書店の商売はすでに成り立たなくなりつつある。現場で働く書店員は、少ない人手で、毎日大量に入荷してくる新刊をさばき、レジをまわすだけで手いっぱいで、売りたい本のための販促にまわす余力もなく、疲弊している場合も多い。

 

そんな状況に加えて、本屋なのに入荷数が分からないから新刊の予約が受けられない、注文していない本が勝手に入荷する、人手が足りないのに雑誌に付録までつけなければならない、出版社の帯にコメントが採用されたのに報酬がない、などなど、書店員のやる気を削ぐような無駄や理不尽がまかり通っているのもまた書店の現場。

 

だが、書店員自身が、その不満や怒りを吐露する場は多くはなく、大っぴらにするのが憚られる雰囲気があるのもまた事実である。いまどれほど書店の現場が疲弊していて、書店員が何を考えて仕事をしているのか、何に怒っていて、何に不満があるのか、それはほとんど知られないまま。

 

この本は、さまざまな立場の書店員による、書店の苦境や書店員であることへの思い、出版業界の不満や出版社への不信感、本や読者への思いを一人称で綴った怒りと悲しみと愛の記録。

 

 

【本文より】

書店って川の流れで言ったら一番下流なんだなあと思う/書店員の働きをナメてませんか?/「本が好き」という気持ちに対価を要求するのは、下品なことだろうか/勤務時間内に売りたい新刊のゲラを読むような余裕がほしい/粗雑な本と刊行点数の多さは、版元の事情によるものでしかない/新刊の箱を開けていると、最近は流れ作業の最後の仕事をやっているという気持ちになる/大量の本が目の前を目まぐるしく通過していく/下流域にいる書店にとって新刊配本はブラックボックス/他の業種の人から見たら驚かれるほど低い利益率なんだなあ/そもそも、賃金が低いため、買いたくとも本が買えない/まあしかし、とりあえず、定年まで働けるんだろうか/出版社と書店で「効率的に売るため」の情報共有がなぜできないのだろう/書店で働く人たちのことを出版業界はどう思っているのだろう/私たちはしょせん捨て駒であり、代わりなんていくらでもいる

 

【目次】

序 章 書店員の仕事はシット・ジョブなのか? 大塚真祐子

第1章 下流で考える 水越麻由子

第2章 だから、若い人たちが、彼らと同時代のものを読み、全人生を通じて彼らの友であり続けるはずの本を手に入れる必要があるのだ。そのためには、 篠田宏昭

第3章 本屋で働いている 前田隆紀

インタビュー 町の書店のいまとこれから――往来堂書店・笈入建志氏

第4章 今夜のカレーと、明日の書店 モーグ女史

第5章 出版をめぐる生態系(へのグチと希望) 小国貴司

第6章 たぶん、そうじゃない本屋の話 嶋田詔太

第7章 本当の本屋の話をしよう 大塚真祐子

あとがき

📘 書誌情報

発売日2026/2/19
ISBN978-4-9914580-0-2
ページ数256 ページ
販売価格2090 円(税込)
出版形態紙の本
カテゴリーZINE・リトルプレス

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